7月14日 その4
7月14日(木) フィレンツェ
入場制限?
人々の間を掻き分け、ヴェッキオ宮殿へ入った。ここも前回は中庭に足場が組んであったけれど、キレイになっていた。けれども、代わりに凄い列。入場制限でもしているのだろうかという感じ。少しずつ入れているのならば列が動くのだけれど、全然動く気配もなし。それでもここは是が非でも見ないと意味はないので、並ぶことにした。列の長さはせいぜい30mあるか無いかくらいだから、そんなに待たなくても済むとタカをくくっていたのだ。中庭を囲む回廊に並んでいたので、待っている間はじっくりと回廊の装飾を眺めることが出来た。柱の浮き彫りの彫刻や、天井絵の素晴らしさ。ややもすると隣のウフィツィ美術館のお蔭でその芸術的価値が薄れてしまっているようだけれど、そんなことは全然ない。そしてこの建物が今でもフィレンツェ市の市役所として機能していることが素晴らしい。
それにしても列は全然動かない。「いるかを抱いた少年(又はキューピッド)」も見飽きた(笑)。人が多いので、先の方は見えないのでさっぱり判らない。立ちっ放しなのでかなり疲れた。それでも我慢して待ち続けた。待ちきれずに途中で帰ってしまう人もいた。
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| いるかを抱いた少年(コピー) | ヴェッキオ宮殿中庭 | 中庭の周りの回廊天井部分 |
ようやく前の方が少し見えてきた。動きも少しあるので人が入り始めたようだった。さっきはまるっきり動いていなかったので、入場はさせていなかったようだ。背伸びをして前の方を見ると、柱の陰で荷物チェックとボディチェックをしている。そのお蔭でなかなか入ることは出来ないのだ。まぁ、考えてみれば、ロンドンでテロがあったばかりだし、ここは市役所だから、何かあったら困る。それは理解できるのだけれども…。何人でチェックしているのかと思えば1人。ギェ〜!せめてあと1人追加しろ〜!通りがかりの交代要員の警官がやって来た。来たのはいいけれど、暫くにこやかにお喋りしている。お喋りはいいから、さっさと交代して中に入れろ〜って心の中で叫んでいた。
やっと順番がやって来た。1人ずつ進む。別にボディチェックはしない。ただ、鞄の中をじっくりと開けさせて見ている。うん、このチェックの仕方ならば「形式だけ」って感じのチェックではないので、時間がかかるのも納得するけれども…。でも〜〜!って感じ(苦笑)。私はショルダーと、カメラや水を入れている手提げをチェックされた。水の入っているボトルは生ぬるくなりにくいように、市販のペットボトル用の袋に入れてあったので、それも外して中身が間違いなく水かチェック。やっとOKと言われた。私の次の母は…というと、あれ?思ったよりも簡単に終わっている。私がバッグをキチンとした状態に戻す前に私の隣にやって来た。見ると母はクスクス笑っている。どうしたのか聞くと、「お菓子だらけのバッグなので笑ってすぐにOKとなった」とのこと。そう、この日の母のバッグの中には、ウフィツィ美術館の入場待ちの間に食べれるようにと、朝食に出ていたクラッカーとマフィンが入っていたのだった。カメラの入った袋を出させて中身をチェックした後、いざバッグの中を見たら…マフィンだらけ(2個ずつ4個)って訳。お菓子ばかりのバッグを持ったオバサンは安全ってことだったようだ(笑)。
中のチケット売り場へ行くと、隣にいたおばあさんがブチブチと1人で文句を言っていた。私がチケットを買うためにそばに行ったら、同意を求めてきたので「ええ、ホントに疲れましたよね」と言ったら、気が済んだようで行ってしまった。長々と掴まって捲し立てられるのも困るけど、アレ?って感じ(笑)。チケット売り場の隣のブックショップで絵本などを購入。子供向けのフィレンツェのガイドブック。いつか読めるようになるだろうと言うことで、前もって買っておくことにした(笑)。
さて、ようやく中に入れたことだし、いざ見よう!と思ったけれど、立ちっ放しの疲れが出たので、2階へ上がる途中に腰かけて暫し休憩。グッタリ。。
ヴェッキオ宮殿の中
10分くらい休んだかしら?そろそろ見始めないとキリがない。階段を上がって2階へ行くと…そこは「500人広間」。壁一面に大きな絵がいくつもあり、その前には幾つもの彫刻が立ち並んでいる。天井も格天井のように格子が組まれ、その中にはそれぞれ絵が描かれていた。部屋の端は一部舞台のように高くなっているので、会議をするにはうってつけの設計だ。椅子も幾つも並んでいる。共和制の時代もこんな風にみんなが座って市民会議が行われたのだろうか?天井や壁の大きな絵を見たりするにはこの椅子に座ると丁度いい。この部屋はフラッシュ無しならば撮影可能だった。
一段高くなっている舞台のようなところにも登って良かったので、そこの窓から外を覗くとドゥオモの屋根が見えた。ということは南北に長い部屋だと判った。ダビデのある広場側は舞台から見ると右側になる。ここから見ると改めて部屋の大きさを実感した。それにしても、市民がビッシリ入ったら壮観だったろうなぁと思う。500人広間を出て3階へ向かった。別の部屋にはフィレンツェの街を描いた絵もあった。山と城壁に囲まれたフィレンツェの街の中にドゥオモとヴェッキオ宮殿が描かれていた。
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| 「500人広間」の天井絵 | 「500人広間」の壇上に向かって | 「500人広間」の壇上から |
どの部屋を見ても、美術館並み。階段の天井さえもまるでヴェネツィアのドゥカーレ宮殿の「黄金階段」の天井のようだ。とある部屋に入ったら、壁に神話の神々を描いた絵があった。その中の一部は「ヴィーナス誕生」のシーンらしい。でも、こちらは髪の毛は上にまとめてあって、布を持っているけれど、貝の上に立っているというのは同じ。作者が違っても、モチーフは同じなんだなぁと思った。
あまりにも沢山の絵があるので、私はそのうちカメラに収めるのを止めてしまった。キリがないしかなり疲れてきてしまったのだ。それでも「謁見の間」や「百合の間」の豪華な天井だけはカメラに収めてきた。この宮殿はもう一度、あまり疲れないうちに見たいと思った。次回への宿題がまた出来た。
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| ヴェッキオ宮殿階段 | ビーナス誕生? | ヴェッキオ宮内の絵画 |
外へ出ると、容赦無く太陽は照りつけてきた。暑さを避けて休むために、シニョーリア広場の老舗カフェ、リヴォワールへと入った。ヴェッキオ宮殿に入るために立ちっ放しでいたのが、かなりこたえた。足が棒のようになってきている。ここでも、ラテ・アートを期待してカプチーノを頼む。ついでにフルーツタルトも。母は疲れたので、食べたくないと言う。冷たいミネラルウォーターをオーダー。
カプチーノは予想が外れてプレーンだった。その代わり、タルトはグ〜!やっぱり老舗は違うんだなぁ。ここでかなりゆっくりと休憩した。ガイドブックを出して、見てきたばかりのヴェッキオ宮殿の中をおさらい。頭の中はかなり飽和状態だった。それでも、出来ることならばウフィツィ美術館に入りたいと思っていた。
また並ぶにしても、今度はビニールを敷いて、座るつもりでいた。午後3時過ぎなので、せいぜい待っても1時間程度かな?と思っていた。
断念する
会計を済ませて、ウフィツィ美術館の入口へ向かった。並んでいる人々を見て絶句…。この様子だと3〜4時間待ちかもしれない。入場出来るギリギリの時間にやっと入れるか入れないか程度のような感じだ。列は…アルノ川沿いのヴァザーリの回廊の方へと伸びている。前の日も同じところをサンタ・クローチェ教会に行くために通ったけれど、それとは比にならないくらいの長蛇の列。歩きながら母と話し合って、今回は残念だけれども、ウフィツィ美術館を見ることは断念した。まだ旅行は半分過ぎたばかりで、今後はヴェネツィアにも行くので、体力を使いきってしまったら、とんでもないことになる。今日も沢山歩いたし、立っている時間が長すぎた。
ともかく、フィレンツェの街中を歩くのは体力勝負だと思う。別に坂道ばかりで大変という訳でもない。むしろ平坦なのだ。それでも、美術館や教会の中をくまなく歩いてしまうと、物凄い距離になる。今回、母は夏場で靴下を履かないので、万歩計を付けなかったけれど、付けていたら何万歩歩いただろうか?(腰に付ければいいと言う方もいらっしゃいますが、足首が一番正確です)
万が一、ウフィツィ美術館に入ったとしても、疲れきってしまって絵画を鑑賞する余裕さえもなかっただろうし、中を歩くことさえも苦痛だったかもしれない。
宝の山を目の前にして断念したけれども、身体がなによりも一番大事だから、それを最優先した。
バスに乗って…
時間はまだ早いけれど、ホテルへ戻ることにした。ポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)まではカフェで休んだばかりなので、歩いていけそうだった。橋を渡ればバス停があるので、それに乗っていれば時間はかかるけれど、ホテル近くの駅までは戻ることが出来る。駅まで帰ることが出来れば、後は気力でホテルまでは戻れるし。
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| ウフィツィ美術館柱廊の彫刻 マキャッベリ |
ヴェッキオ宮殿の塔(頂辺は獅子の像) | ヴァザーリの回廊 |
2日連続で、またもやポンデ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)を通った。相変わらず凄い人だかり。でも私達はウィンドーを見て歩く元気さえもない。バス停のところに行くと、またもやゴチャっと人だかり。それなのに間もなく来たバスに乗ったのは数人だけ。なんだったんだろう??今回は間違いなく検札機に通した。グル〜ッと回って最後のサンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで行くので、一番後ろに座った。バスはアルノ川の左岸をどんどん東(=川の上流)に向かって走っていく。グラツィエ橋を通り過ぎ、S・ニッコロ橋も通り過ぎ…一体、どのくらい行ったら、折り返し地点のフェルッチ広場に着くのかしら?運転も…ミニバスのわりには荒い(苦笑)。ホテルに戻ってから地図で確かめると、それほど遠くはなかった。でも段々見えてくる景色も違ってくるので、間違いなく駅に戻るバスだと判っていてもなんとなく不安に駆られた。
やっと、広場に着いた。広場では日焼けに精を出している人もいる。このクソ暑いのに…熱射病になっちゃうぞ〜って感じ(笑)。木陰にも人がいる。バスの中まで蚊が入ってきたのだから、きっと木の下にいる人は蚊に食われていただろう。それとも、慢性化しちゃって平気なのかな?バスは止まっている間は、ドアを開けっぱなしで、当然エアコンも切れているので、段々暑くなってきた。早く走り出さないかなぁ〜とそればかりを考えていた。
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